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3学期始業式より

第1校時に3学期始業式があり、校長から次の話がありました。

(前略)地域の中では祭りの担い手として新野地区の大人から期待もされています。そのため阿南第二中学校では来週からの新野の雪祭りのため、全国の中でもこの学校だけかもしれない計画休業を含む9連休が今週末から始まります。

ところで、「不易流行」という言葉があります。この言葉は、松尾芭蕉がより良い俳句をつくるうえで使った言葉です。現代の辞典では、「不易」とはいつまでも変わらないこと、「流行」とは時代に応じて変化することという意味ですが、これが四字熟語になると「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと」とか「新しさを求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること」と解釈されています。さしずめ、新野の雪まつりは「不易」に当たることなのかもしれません。

では、皆さんの日常である「学習」をこの不易流行に当てはめて考えてみましょう。よく不平不満を口にする傾向がある子どもはこのような言葉を発することがあります。「大人になって使わないのいなら、こんな勉強しても仕方ない」とか「こんな勉強して意味があるの?」などです。果たして勉強することは意味のないことでしょうか。例えば、数学なら勉強の仕方としてはまず問題の意味を把握する。次に答えを導くのに必要な数式を作る。そしてその数式で解き進めていくというプロセスがあります。この過程があるので、論理的に物事を考えることにつながっていきます。

これから皆さんが将来どんな仕事をするにしても、業務を正しく効率的に行うには、論理的に考えることが必要になってきます。要するに、物事を大きな視野で捉えると、数学の問題自体を将来使うかどうかは大した問題ではなく、数学を通して得られる論理的思考力といった考える力というものが将来に大いに役立ってきます。このような誰にとっても、社会人として必要とされる「考える力」を授業や家庭学習で養うことは、不易流行の「不易:本質」に当たり、勉強する意味にもなってきます。

世の中に目を転じてみます。社会は急激に変化しておりグローバル化が進み、働く人の職業は多様化するだけでなく、今はまだどこにもない職業が今後誕生していくだろうと予想されています。このような見通しがあるので、社会の変化を見据えて教育の内容も変わっています。学習指導用要領が改訂されたり、ICT機器が導入されたりするなどがそのよい例です。小学校では来年度からプログラミング教育というものが取り入れられるようになりました。これらが「流行」に当たり、私たちにも変化が求められるようになってきました。

つまり、これからの時代は、社会が大きく変化していることに伴って「新しく必要となる知識や技能」とか「見方・考え方の思考」「創造力」を育てていくことが大切になってきます。このことは先生方にとっても大きな責務となっています。そこで、先生方もこれらの流行、変化に対応できるよう、学ぶために郡内や県内、時には県外に出て研修をしています。

終わりに、時代の流れつながりで人生100年時代をどう生きるかに関わって、私が学んだことを紹介して話を結びたいと思います。先月のことでしたが、平成8年から続いていた「イチロー杯」が最後となったときに発せられた、イチローさんからの2つのメッセージです。(後略)