ホーム » 過去の掲示板 » 令和元年度掲示板 » 2学期始業式を行う

2学期始業式を行う

第1校時に、NHK合唱コンクールの賞状伝達と体力テストA表彰者への記録証伝達後、2学期始業式を行いました。校長からは次の話がありました。

今年の梅雨明けは、昨年より一ヶ月遅れ、平年より8日遅れとなる夏休みに入った29日(月)で、梅雨が明けるのと同時に猛暑日が続きました。そのような中8/5には有志参加である「早起き登山」が実施され、阿南第一中学校からも先生方を含めた12名の参加があり、生徒38名・先生10名・ガイド3名の計51名で縦走してきました。

令和に改元となった5月には、阿南第一中学校のお茶摘みに初めて参加しました。昭和と平成の時代にはなかった、新たな両校の交流行事が令和の時代からスタートしたのは、起こるべき姿として、なるべき姿として、時代がそうさせたのではないかと思う次第です。

まず始めの話です。「早起き登山のはじまり」を学校日誌から調べてみました。(省略)

このような歴史を持つ「早起き登山」ですが、令和の時代と共に、夏休みに阿南町の有志中学生が集う行事へとリニューアルされたのです。実施日を5月の授業日から夏休みに変更したことによって、夏休みの日数は28日間になるとともに、夏休み中の生徒活動の受け皿になったり生徒の顔を見られる機会ができたりしました。全員参加から有志参加という原点(出発点)に戻り、強制力がなくなったことで、より皆さんの考動力、自主的・自発的行動が求められることにもなりました。

今回参加してくれた阿南第一中学校の3年生ですが、聞くところによると、担任の先生は山登りが好きなようで、生徒に一緒に行こうと頻繁に呼びかけていたそうです。一中は西駒登山をしているし、夏休み中は学校や家庭・個人の都合もあるので、新野と何かしら縁のある生徒が2~3人でも都合をつけて来てくれたら嬉しいと思っていたところを10名もの生徒が参加してくれたのです。

阿南第二中学校の生徒もそうですが、阿南町はじめ飯田下伊那の中学生は学年が上がるにつれ良くなってきます。特に最上級生になると責任感がグッと増してきて、全体を見る目も養われ、全体の中での自分の立ち位置を理解して行動ができると感じています。今回の一中最上級生の参加も、お茶摘み交流などで一中に来てくれたお礼だとか、すてきなパンフレットでの案内や担任の先生の呼びかけに応えようと思って、気持ちを参加の方向へ傾けて、実際に行動を起こしてくれたのではではないかと推測しています。

誤解を招かないためにも、これはあくまでも有志参加の行事ですから、それぞれに都合があったり自分の考えがあったりして参加しなかった、参加できなかった人を否定することは毛頭ないということは付け加えさせてもらいます。

話も終盤です。両校の交流活動では、相手と話をしたかしなかったかが善し悪しと考えられることがありますが、話をすることに対しては得意な人と苦手な人がいます。ましてや、共通の話題がなければ、なかなか会話は弾まないものです。話ができなかったから失敗ということはありません。ただしそのような中で、話ができたとすればとても素晴らしいことで、話しかける勇気だとか話ができるコミュニケーション力の高さは賞賛されるべきことだと思います。

二中が一中へ訪問したとき、皆さんの中には不安や心細さを感じた人もいたことでしょう。今回は逆の立場として、一中の人たちは知らない環境に来て、自分はどう振る舞ったらいいか困っていた人がいたかも知れません。自分の気持ちを分かってもらえたり相手の気持ちに共感したりする体験は、これからの交流活動の大切な礎になるはずです。

もう一つ、たとえ話が少なくても、同じ空間で同じ時間を過ごしたという事実に大きな意義があります。なぜなら、この交流活動は中学校卒業後の将来のことも見据えているからです。高校生になったとき社会人になったときに、この交流活動のことは話のきっかけとなったり共通の話題になったりすることで、さらに会話も進展することでしょう。同じ阿南町の仲間としての安心感や絆を深めることになるのです。私が阿南町の中学生に望むのは、直接的あるいは間接的にでも阿南町を背負って立つ人材になってくれることを期待しています。

早起き登山の終わりの会で、「向山・南峠は、阿南町民から見れば新野の山、県内の人から見れば阿南町の山、県外の人から見れば長野県の山、海外の人から見れば日本の山。同じ山なのだけれど、見る人によってはその山の見方が違ってくる」という話をしました。これからの時代は、見方・考え方を広げたり多様性を受け入れたりすること、受容や寛容が求められていると思います。

先生方も夏休み中に、皆さんからの授業アンケート結果を分析したり様々な研修に出かけたりしながら、授業改善などのヒントをつかんできました。この2学期には、授業を通して物事の見方や考え方を広げたり、学校生活を通して多様性を実感しながらコミュニケーション能力を高めたりしてほしいと願います。