2学期終業式より
第3校時後半は、「防犯ポスターコンクール」入賞者4名と「長野県児童生徒美術展」入賞者4名への賞状伝達、「税についての作文コンクール」入賞者2名と「手帳甲子園ポスター」採用者の紹介があり、2学期終業式を行いました。
各学年代表生徒からは、自己をしっかりと振り返り、前向きな気持ちでこれからを見通していたり、自身の経験に基づく成果なども語られ説得力があるなど、生徒たちはこの式でも素晴らしい発表をしています。そして、校長からはアイヌに関する話題と、来年度からの日課一部変更の予告がありました。
人権教育月間最終日に劇団ムカシ玩具の舞香さんの一人芝居を観ました。知里幸恵さんは明治36年生まれで大正11年に亡くなっています。今から100年ほど前の日本で生きていた方の人生が舞台表現されました。7月にテレ朝の「TOKYO 2020みんなできる宣言」というコーナーで、松岡修造さんが北海道に出向き、慶應義塾大学に通う19歳の関根摩耶さんという方を取材するテレビを見ました。(中略)
100年ほど前の千里さんを取り巻く環境はどのような状況だったでしょうか。。アイヌだと蔑視したり有らぬ疑いをかけたりする人たちがいました。さらには化けものがいるかのように好奇な目で見る人たちもいました。この時代には残念ながらアイヌに対する正しい知識がなかったり、人権感覚が育っていなかったりしたのかもしれません。
時は過ぎました。関根さんを取り巻く環境は100年前からどのような変化があったのでしょうか。「アイヌ格好いいじゃん、うらやましいな」と背中を押してくれるような言葉をかけてくれる仲間がいたり、活動や発信されたことを応援したりする人たちもいるようになりました。このような変化があったのは、正しい知識を得ていたり、人権感覚が磨かれてきたりしているからかもしれません。
私はこのアイヌの事例から、自分自身が勇気をもって変わることの大切さと同じように、相手の人が自信をつけて変わっていけるように支えることの大切さを学びました。また、私たちはある情報を得たときにそれを想像し、どう解釈するかによって自分自身の見方や考え方が広くなったり深くなったりしていくのではないかとも思いました。
来年度に向けての予告です。先の国会では「先生方の働き方改革」を進めるための法案が成立しました。これからは先生方の残業時間が過労死ラインに達しないように法整備がされ、意識改革が求められる時代になってきました。3学期には先生方で令和2年度の日課表を一部変更するための検討をします。具体的には生徒会役員会の時間を始業前ではなく下校時間前にできないかとか、朝部活も冬場も止める代わりに、放課後に活動できる時間ができないかなど、何かを削ることによって有効な時間を生み出すことができないかという視点で、知恵を出し合いたいと思います。
これからの時代は先生方だけでなく生徒の皆さんも、限られた時間の中でいかに合理的とか効果的な仕事ができるか、部活動なら量より質の向上、要するに今までどおりのこと与えられたことを、時間かけてこなしていくかではなく、いかにすれば効率よく能率を上げることができるか、さらには創造的な仕事ができるのか、このような人材が求められてくると思います。
特に生徒会新役員の皆さんは、3学期からは見通しがもちづらい中で、生徒会業務を進めていかなければなりません。そのときに今までの活動を取捨選択したり効率よく能率を上げたりしながら、歴代の生徒会同様に自分たちの新たなカラーを打ち出してほしいと思います。